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Yoshitaka Iwamoto -Reference-

感性の覚醒のための

12月 2015

「名文」に学ぶ表現作法 木下長宏

「名文」に学ぶ表現作法

大学生の時、授業で教授が勧めていたので購入した本。論文の書き方の参考になるだけでなく、いい文章とは何かを考えるきっかけとしてもとても楽しく読むことが出来た本だった。別役実や阿木津英、サルトル、フーコー等の文章を紹介しながら、文章を書く上で重要なテーマを考察していくこの本の構成に、サルトルやフーコーの難解な文章を身近に翻訳してくれているような印象を持った。それぞれの文章を導入部、展開部、結びと分析してA,B,Cで下線をつけてくれているのが特にわかりやすい。

私が特に面白いと思ったのは、3章のサルトル「カルダーのモビル」ー美を記述する だった。サルトルの文章のかっこよさを感じる確かな「名文」だと思った。「それは動きを暗示するのではなく、捉えてしまうのである。」やヴァレリイの海についての引用、「それはたえずやり直している」といった、サルトル特有の文体で彼が生きた時代を感じさせてくれる息遣いはカルダーの彫刻をより文学的にしていると思う。筆者の解説もとてもためになるもので、私が一番すきな箇所は、展覧会の図録によくある作品の解説の難点を述べているところだ。学術的な論文にある専門用語の使い方や引用の仕方、「学術的であることこそ「普遍的」なのだという思い込みがそれをさらにくるんでいるよう」な文章にうんざりしてしまうのは私だけではないはずだ。もしサルトルのような、この著書のような人が展覧会の解説を書いたなら、美術作品を鑑賞することがどれだけ楽しくなるだろうと想像したりする。権威に頼ることなく自分のことばで書くことは、「名文」の一つの条件だろう。こんな事を考えながら書いた学生時代の論文は教授の赤ペンがたくさんついていた。しかし、その赤ペンを見ながら心の中ではあっかんべーと舌をだしていた自分は今でもいつか名文を書けると信じている。

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デュアン・オールマンのレスポール

The Allman Brothers at Fillmore East

最近、インスタグラムやピンタレストで画像を簡単に検索できるようになったので、自分の好きなミュージシャンのレア画像を沢山見つけることが出来るのが嬉しい。昨年ごろギブソン レスポール ゴールドトップ 1957年ヒストリックコレクション を購入しました。当初は56年のP90のピックアップがついたギターを探していたのですが、なかなか良いものが見つからず結局57年のモデルを購入しました。

手元に届いてからピックガードを外してみたり、弦高を調整してみたりしていたのですが、ある時ピンタレストでたまたま見つけたデュアン・オールマンの写真がとても不思議で気になっていました。

デュアン

デュアン・オールマンが持っているギターはギブソンのゴールドトップ ハンバッカーで僕が購入したものとセッティングはほとんど同じはずなのですが、何故かピックアップが黒色のものがついているのです。この時代には、ピックアップメーカーはまだなかったはずでピックアップを付け替えたとは考えづらい。しかし、デュアン・オールマンが持っているギターはギブソン ゴールドトップには通常、銀色のハンバッカーがついているはずです。調べてみた結果、ハンバッカーの銀色のカバーを外しただけだったとわかりました。元々、ギブソン社のハンバッカーは黒色でそれを取り付ける際、銀色の鉄のカバーをつけているのですが、デュアン・オールマンはこのカバーのはんだをとって使っていたようです。

不思議なのは、このカバーを外しても音が変わることもないし、たいした利点が見つからない事です。もしかしたらビジュアルが気に入ったのか、もしくはピックアップのカバーを外すと出力がよくなると考えたのか、結局は推測するばかりですが、僕はこの写真を見るのが大好きです。デュアン・オールマンがちょっとでもギターを良くしようと考えているのが伝わってきてカッコ良いし、自分がデュアン・オールマンと同じギターを持っているが嬉しいからです。自分のもカバーを外して同じようにしました。これで僕のギターの音色も空を飛ぶでしょう。

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