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Yoshitaka Iwamoto -Reference-

感性の覚醒のための

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美術

ゲルハルト・リヒター「写真論 / 絵画論」ー 美術に於ける形式

ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論

今年、読んだ本の中で一番良かった。これまで読んでいなかった自分が恥ずかしいぐらいだ。読んだあと絵を100枚描いた気分になった。

リヒターは、まず自分にとって重要なテーマの為に作品を作っており、それはコンセプチャル・アートとかポップ・アートといったカテゴリーの中の議論ではないということがよく解った。有名なアブストラクト・ペインティングをみても「どんな理解もすり抜けてしまうもの、タイトルだけみても得られないもの」を描くというテーマはリヒターならではだろう。写真と絵の関係性についても多く語られておりそれもまた独特で、写真を描く理由は客体的な正当性を絵画にもたらすためだという。多くのアーティストが主題の為に考え、制作し、そして表現を構築しているのに対して、リヒターはそういったアーティストを横眼で見ながら、まったく異なった視点で制作を続けてきたのである。

他のアーティストに対する発言も豊富で、その中でも特にリヒターが好意的な意見を述べているのがデュシャンとジョン・ケージだ。リヒターにとっては、作品を作る能力よりもみる能力、芸術へとつながる必要なクオリティが見えるかどうかが重要であり、レディメイドは、それに対して根本的な提示をしているのだという。ジョン・ケージの偶然性の作品についても肯定的で、偶然と形式については手本にしているとも語っているのが合点のいく箇所だった。

リヒター独特の言葉で重要なものは、この形式という表現で、この本の中で度々登場する。この言葉の意味を慎重に掴み取ることがこの本を読み進める楽しさだろう。

何より描くことが前提であるというところに画家としての強い誇りを感じる。

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ネイルサロン AVARICE

アバリスは2008年10月19日より始動した。現在ソフトジェルネイルとヘアをサービスの軸とし、印刷物・WEB・イラスト等のデザイン業務や要望に応じて絵画制作も行っている。近年には、原宿店もオープンした。

店内ではさまざまなアートが展示されており、アーティストとコラボレーションしたオリジナルアイテムが購入出来る。 ARTを楽しんでもらえる空間創りや、ARTを美容に落とし込んだAVARICEオリジナルのトータルコーディネート、ARTを通じてより良いデザイン提案のディレクションなど、AVARICEでしかできないもの創りを最高のサービスとして提供している。

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ネイリスト KAYOは、27TH I.M.A. ’12 International Mode Contest にて優秀賞、ネイルMAX賞を受賞した。

AVARICE is a nail and hair salon which is located in Yoyogi and Harajyuku, Tokyo.

The shop was launched in 2008 by a producer DAIKOKU after he traveled in the United States. He is now also working as a hair stylist. The nail artist KAYO graduated from Osaka University of Arts, and recently she won the merit award and Nail Max Prize in the International Mode Contest 2012.

Since the establishment, the shop has not only been offering with cosmetic treatments, but also producing original items by collaborating with artists and designers. The hand painted nail art and braids are particularly popular, and are at the forefront of creating their original artistic style.

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website: http://ava-rice.com/

blog: http://ameblo.jp/avarice-yoyogi/

A beauty salon becoming popular among fashion-minded people, AVARICE is a place where you must pay attention to the unique cosmetic weltanschauung, which is derived from their artistic practice. Look out for their high quality painting technique and design sense, which has already caught our eye!!

Express your uniqueness on your fingers from boyish to cute style. A soft gel nail art specialist, AVARICE is located behind Meiji Shrine. The shop is expert at hand painting flat art, and is happy to meet your requests and favorite designs, no matter what you want. AVARICE strives to allow you to express your originality, and make your life vivid through original nail art. In their relaxation space surrounded by nature and art, the shop would comfort you and make you happy with their stylish nail art. AVARICE can provide a private room with the treatment in order for you to concentrate, and to make a comfortable and relaxed atmosphere for you. Please tell them your favorite images and make requests, and enjoy your original nail art!!

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Japanese Art Program

AIR_J
Online Database of Artist-in-Residence Programs in Japan
http://en.air-j.info/resource/

Arcus
2418 Itatoi
302-0101 Moriya, Ibaraki
Japan
arcus@arcus-project.com
http://www.arcus-project.com
Phone: +81 297 46 2600+81 297 46 2600

Youkobo Art Space
Zempukuji 3-2-10
167-0041 Suginamiku Tokyo
Japan
info@youkobo.co.jp
http://www.youkobo.co.jp
Phone: +81 3 59305009+81 3 59305009

Tokyo Wonder Site
COSMOS Aoyama SOUTH 3F, 5-53-67 Jingumae, Shibuya-ku
150-0001 Tokyo
Japan
contact@tokyo-ws.org
http://www.tokyo-ws.org
Phone: +81-(0)3-5766-3732+81-(0)3-5766-3732

Seto City Cultural Promotion Foundation
113-3 Nishiibara,
489-0884 Seto,Aichi
Japan
air@city.seto.lg.jp
http://www.seto-cul.jp/scga/e/program_e.html
Phone: +81-561-97-1001+81-561-97-1001

3331 Arts Chiyoda Residence Program
Chiyoda-ku Sotokanda 6-11-14
101-0021 Tokyo
Japan
residence@3331.jp
http://www.3331.jp/en/
Phone: 03-6803-2441

Akiyoshidai International Art Village
50 Akiyoshi, Shuho-cho, Mine-shi,
754-0511 Yamaguchi
Japan
trans2012@aiav.jp
http://aiav.jp
Phone: +81(0) 837 637 0020

Art biotop Nasu
Takaku-Otsu Michiue2294-3
325-0303 Nasu ,Tochigi
Japan
yoshinari@artbiotop.jp
http://www.artbiotop.jp/
Phone: 81-0287-78-783381-0287-78-7833

Kyoto Art Center
Muromachi Takoyakushi
604-8156 Nakagyo-ku, Kyoto
Japan
residence@kac.or.jp
http://www.kac.or.jp
Phone: +81 75 2131000+81 75 2131000

Artist in Residence Yamanashi (A.I.R.Y.)
2-37-2 Marunouichi
400-0031 Kofu, Yamanashi
Japan
airy@air-y.net
http://air-y.net/
Phone: 09061522786

The Kamiyama Artist in Residence (KAIR)
Kamiyama, Tokushima
Shikoku, Japan

http://www.in-kamiyama.jp/en/art/

NPO S-AIR
postal-code: 062-0901
Toyohira 1-12, Toyohira-ku, Sapporo, Japan
Inter Cross Dreative Center 4F
http://www.s-air.org/index.html
PHONE: +81.11.820.6056+81.11.820.6056

The Aomori Contemporary Art Centre
152-6, Yamazaki, Goshizawa,
Aomori –City, Japan, 030-0134
http://www.acac-aomori.jp/
TEL: + 81 17 764 5200+ 81 17 764 5200

Fukuoka Asian Art Museum
7 & 8th Floor, Riverain Center Bld.,
3-1 Shimokawabata-machi, Hakata-ku, Fukuoka City, Japan
http://faam.city.fukuoka.lg.jp/eng/home.html
Tel 092-263-1100092-263-1100

今敏の「さようなら」

2010年8月、アニメ監督である今敏の訃報は、私にとって衝撃的なニュースであった。ベルリン国際映画祭や、ヴェネチア国際映画祭に出品するなど、国際的にも注目されていたアニメ監督であり、かねてから、「東京ゴッドファーザーズ」や「パプリカ」、「千年女優」といった、斬新で、幻想的な映像と空想的なストーリーの着想に、クリエーターとして憧れを持っていた。

訃報のニュース自体、悲愴な思いをもったものだが、それにも増して、今敏が死の直前にインターネットに公開した「さようなら」という文章が今も強く印象に残っている。この文章は、現在でも、彼の公式ホームページに掲載されており、インターネット上で今敏の遺書として話題となった。

その文章には、膵臓癌を宣告されてからの闘病生活や、家族、友人への感謝のメッセージ、次回作についてなどが独白的に書かれている。印象深い文章をいくつかあげてみる。

『抗ガン剤は拒否し、世間一般とは少々異なる世界観を信じて生きようとした。「普通」を拒否するあたりが私らしくていいような気がした。どうせいつだって多数派に身の置き所なんかなかったように思う。』

『さて、あとは自宅で死を待つばかりのはずだった。/ところが。/肺炎の山を難なく越えてしまったらしい。/ありゃ?/ある意味、こう思った。/「死にそびれたか(笑)」
その後、死のことしか考えられなかった私は一度たしかに死んだように思う。朦朧とした意識の奥の方で「reborn」という言葉が何度か揺れた。/不思議なことに、その翌日再び気力が再起動した。』

死を前にした深刻さを微塵も感じさせないこれらの文面は、特に心打たれる個所であった。そして、「じゃ、お先に。」という最後の言葉も今監督らしい。

今監督は生前、癌の事実を隠し、毎日のようにブログを更新していたそうであるが、時に、ブログ調の客観的な文体で、死を目前にしながら冗談や自嘲的な笑いを交えている個所もある。それを読んだとき、46歳という若さで予期せぬ宣告を受けてから、これからの創作に対する意欲と闘病生活の狭間にはいい知れぬ葛藤があったであろうことを想像し、冷徹な事実に言葉を失った。同時に、死の直前にある言葉がこのような形で人に読まれることがあるのかと奇妙な感覚をもった。

今氏は、意図的に不特定多数の人に向けて、この最後のメッセージを公開したのであるが、ペンで書かれたものでもなく筆圧もない、フォーマット化されたコンピューターの文字である。それは、淡々と、1ミリの行間の狂いもなくただ機械的に冷たく並んでいる。そして、一度ブログ上に記号化された言葉は、キーボードでコピーし貼り付けることによって、いとも簡単に引用し、即席に転用することができる。私が、初めて「さようなら」を読んだ掲示板は誰か個人のブログであったと記憶している。その死の淵にあるメッセージは、ブログの画面の上で卑猥なポルノ広告に板挟みされて、ある種残酷に映った。インターネットに掲載された機械的な文字と今敏の最後の声のあいだには不可解さがあるように思う。そして、この文章がこのようなブログの中に埋もれていいのかと疑問を感じた。

最近では、フェイスブックやツイッター等のソーシャル・ネットワーク・サービスを通じて他人の個人的な文章を読むことが容易にできる。私たちは、そのウェブサイトを自分のページや部屋のように捉えている。しかしそれは、ノートの紙のように純粋に白くもなく、完全な密室でもない。インターネット上に他人が構築しデザインしたページを借りて、コンピューターの文字に自分の声を置き換えて私たちは文章を書いている。私たちは、限りなくプライベートなことを書くと同時に、頭の片隅で誰かに読まれることを無意識に想定している。自分にとって、他人に知られてもいい本音を書いているのである。

近年、日記を書くことは、数十年前と比べて珍しくなった。日記を書くことは、個人的な体験を自分の言葉で記録する行為である。それは、独白的で個人的な行為であるがゆえに他人に読まれることにためらいを感じる。現在の私たちは、ノートにペンで日記を書く代わりにツイッターに日常の出来事や写真を掲載する。使い方によっては、匿名性とプライバシーを盾に、他人を中傷し、非難することもできる。コンピューターによって平均化された文字と空間で、プライバシーを曖昧にすることができるのである。しかし、一方で世界中に自分の声を発信できる開かれた場所としても機能している。インターネットはもはや、知識を収集するための場所、商品を購入する場所としてだけには留まらなくなった。生から死までの人間の人生を情報化する空間、言い換えれば、今生きていることだけでなく、生きていたという事実をも本人によって保存できる場所となった。

今敏は、死の床にある最後の言葉をインターネットに掲載し保存することを望んだ。それは、彼にとって人生最後の自己表現であり、不特定多数の人たちにむけての告白でもある。彼の、「さようなら」は、インターネット上に掲載されている言葉の奥行と、架空の個人が存在する場所として、インターネットの存在意味を再度考えさせてくれた。

映画の中の情景やキャラクター達の会話は、物語の台詞であると同時に作者の思想を代弁した言葉でもある。今監督の死から一年になろうとする今、仮想空間やインターネットに精通していた今監督のこの行為を、私は幻想的で夢想的な今監督のアニメ映画と重ね合わせている。筒井康隆の同名小説を原作とした代表作「パプリカ」の中で、少女パプリカが語りかけるシーンがある。「抑圧された意識が表出するって意味ではネットも夢もよく似ていると思わない?」

インターネット上に口語調に書かれた最期の告白「さようなら」に、氏の解放された無意識の表出の断片に触れることができたような錯覚を覚え、改めて今監督の表現の強さを想う。

Tokyo Godfathesr is a 2003 anime film directed by the late Japanse director Satoshi Kon, and co-directed by Shōgo Furuya.

The movie puts an emphasis on the theme of “coincidences”. Movie critic George Peluranee notes that “Tokyo Godfathers is a film that shows the small yet significant ties that each of us have with supposed strangers, and tells well the story of miracles, family, love, and forgiveness.

 

 

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北斎の絵手本 

北斎の絵手本 1

学生の頃京都の古本屋で北斎の絵手本という作品集を購入しました。当時は知らなかったのですが監修の永田生慈さんは、葛飾北斎美術館の館長。全五巻で一筆書きや平仮名を組み合わせて絵にしたもの、豪傑達や妖怪など、北斎のユーモアと絵に対する情熱が見てとれる素晴らしい画が集められています。今では、絶版になってしまっているようですが、最近アマゾンで中古品が売られているのを見つけました。

在学中、この「北斎の絵手本」を見ながら毎日模写をしていました。約2000枚は描いたと思います。墨をすって和紙に面相筆を使って描いていると墨の匂いが落ち着きました。この本は、図版も大きくきれいで見やすかったし、他の作品集では見ることのできない絵が沢山おさめられていました。ただ、北斎が絵の横に書いてある文字の現代語訳がないので何が書かれているのかが解りづらいのが残念ではあります。

北斎の絵手本 一巻
北斎の絵手本 一巻

大学を卒業してから、しばらく書いていなかったけれど、最近になって、また本を開いて毎日描いています。少し描くのに慣れてきて、顔の表情を少し変えたり、髭を足したりして遊んでいます。

高校生の頃通っていた画塾の先生が、北斎はイラストレーターの先駆けだよ、と言っていたのを思い出します。絵を観るたび人を観察することの楽しさ、絵を描くことの面白さを思い起こさせてくれます。

北斎の絵手本 模写
北斎の絵手本 模写1
北斎の絵手本 模写2
北斎の絵手本 模写2

北斎は生前、3万枚を超える絵を残したそうです。そして、死ぬ前に「天があと5年生きることを許されたなら本物といえる画工になり得ただろう」といって生涯をとじたという逸話が忘れられません。

やっぱり北斎は画狂老人だなぁ。

今でも、「北斎の絵手本」を読み返すたび、絵が描きたくなって胸がワクワクしてくるのを感じます。「富岳百景」に代表される浮世絵画家としてだけでなく、北斎の知らない一面を見せてくれる貴重な画集だと思います。

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