歴史的にさぐる現代の英文法

現代の英文法がなぜ今のようなかたちをとるようになったのか解説した本である。

歴史的にどのような経緯たどって今の文法が成立したか体系だて書かれているが文体が論文調なので難しい印象をもった。しかし、なるほどと納得させてくれる箇所も多く読む価値のある文法書だと感じた。

例えば、

Thank you は、I thank you の主語 (I) が省略されできた表現である。また、単数形二人称代名詞のthouについての考察や、初期の文法疑問文doを用いない疑問文 について (Read you the book?)

Doが生まれるまでは動詞を主語の前に倒置することで疑問文が成り立っていた、などは私にとってとても面白い内容だった。

さらに、助動詞は動詞が発達して出来た表現であることが詳しく考察されている。また、使役動詞は不定詞が省略されて出来た表現である等、現代英語文法の成立が良く分かった。その他にも、関係代名詞の成立や品詞の歴史的発達なども興味深い。英語を他の言語と比較しながら考察している箇所も分かりやすく、英語がヨーロッパ圏の言葉と違った発達を遂げた経緯が理解できた。

しかし、学術論文として書かれた本なのか言葉や言い回しが難解な箇所も多く、読みやすい本ではない。もう少し、わかりやすく平易な言葉で書いてほしかったと思う。

英語文法の研究として、または英語の歴史的発達をしるものとして読み応えのある本だった。

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